なりたい母親像はみんな違えど、一度は「いい母親になりたい」と思ったことがありませんか…?
私は口にはしないまでも、「子どもにとっていい母親にならなければ、いい母親でいなければ」と、そんな思いがいつもどこかにあったと思います。
それは、「母親失格」だと思うような出来事が起これば起こるほど強くなって、でも上手くいかないからより落ち込んで、どんどん自信をなくしていく…
子育てはそんな悪循環になりやすいものだと思います。
でもそもそも、いい母親って何だろう?逆に悪いママって何だろう?
どんな母親なら、子どもにとって良いのだろう…?
きっと、全ママがぶち当たる問いをテーマにした本「ママはきみを殺したかもしれない」を、ご紹介したいと思います。
「ママはきみを殺したかもしれない」あらすじ
「私、悠を殺したの…?」
40歳の美汐 (みしお) は、ある出来事をきっかけに7歳の息子である悠 (ゆう) の首を絞めてしまい、そのまま意識を失う。
きみを殺してしまったのだろうか…という疑問を胸に、34歳の頃にタイムスリップする。
1歳の悠と暮らし始めた美汐は、今度こそ「いいママ」になるために、大事な仕事を捨て、育児と家事に専念。
でも、あんなにもやり直したかった2回目の子育ては、やり直す前よりも上手くいかなかった。
愛情とは、無償の愛とは。
子育てとは。
いいママとは。
理想と現実を突きつけられた「やり直し」の中で、美汐の過去が浮き彫りになる。
息するのを忘れてしまうほどの緊張感と躍動感は、一気読み必至。
樋口美沙緒先生の小説です。
「ママはきみを殺したかもしれない」おすすめポイント
母親の「心」をストレートに表現してくれている
印象に残ったのは「愛しているのに、思い通りにならないことが続くと放り出したくなる。」という一文。
こんなにも愛情を持っているのに、もう知らない!と言ってしまうのはなんでだろう…という答えが見つかった気がしました。
愛しているが故にどうしても認めたくない気持ち、でも隠すことができない事実。思い通りにしたいという自分勝手な欲で溢れていることを改めて自覚しました。
そして、きっとみんな直面する仕事と育児という葛藤。
仕事を選んだからと言って育児を放棄したことにはならないのに、子どもの言動に母としての自分の心はちゃんと傷ついてしまう。
樋口先生の絶妙な表現の数々は、共感だけでなく、子育ての難しさを紐解いてくれたように思います。
子育てにちょっと自信が持てるようになる
私は何のために子育てをしてるのだろう?
そもそも、何のために生きているのだろう?
私にとっての仕事って何だろう?
この本を読んで、人生における「大事なこと」を考える機会をもらいました。
正解がない子育て。全部手探りで、基本的には不安でいっぱいですよね。
でも、自分の中でそういう大事なテーマを考えて考えて、何かしらの答えが出ると、行くべき方向性がわかってちょっと自信が持てるような、そんな感覚がありました。
目まぐるしい日々の中で時折自信をなくしてしまうこともあると思いますが、いつでも立ち返れるものさえあれば、「きっと大丈夫」と思える気がします。
「ママはきみを殺したかもしれない」私が学んだこと


母である自分を好きになれなかった私は、ずっと「母は私のごくごく一部、肩書きにすぎない」と、どこか別人格のように分けて考えていました。
でも読み終わってみると、「やっぱり私は母でもある」という気持ちに変わっていました。
結局、母親の自分も、1人の人間としての自分も、全部まとめて自分という人間なのであって、切り離せるものではないと…。むしろ、切り離さない方が生きやすく、「いい母親」より「いい自分」を目指すことが、複雑な心にならない方法だと学びました。
「いい母親」を目指すと、我が子からの評価に左右され、第三者からの評価にも左右され、知らぬ間に無理が重なり、自分の人生なのに自分のために生きていないことに気付くと思います。
私自身の話なのですが、「親」装備をすると、どうもちゃんとしなきゃいけないとか、ちゃんとした親を演じないと子どもが困るとか、そんな考えで頭がいっぱいになります。
要は「ちゃんとした親に見られたい」という勝手な欲まみれなんですよね。
そういう時の私は、決して「自分が好きな自分」ではなく、1人でただただ空回る母。近寄りがたい雰囲気を察知した娘もご機嫌斜めで、全く良いことがありません。
結局のところ、いい自分=「自分が好きな自分」を目指すことが生きやすさに繋がり、それが「子どもに見せたい母の自分」でもあるのではないでしょうか。
友だちみたいな関係の親子っていますよね。
すごく憧れがある私ですが、それは結局、親自身がいい親でいようなんて思ってないからかなと。
「自分が好きな自分」を貫いていたら、それが子どもに伝わった結果なのだと思います。
そう考えると、この本は「子どもと仲良し親子になれる本」でもあり、「子育てにちょっと自信が持てる本」でもあり…衝撃的なタイトルからは想像できませんが、とにかく、子育てに不安を持つママを導いてくれる本ではないかなと。
子育てに自信が持てない。
子どもと良い関係性を築きたい。
そんなママにヒントと勇気をくれる小説です。
まだ読んでいないママはぜひ。











